『むかしむかし、あるところにリフィルとジーニアスという仲のいい兄弟が住んでいました。
彼らは、長年の旅で培ってきた知識を駆使して、村人たちが快適に過ごせるように、自分達
の住む土地の調査をしていました。』
「ロイドって説明へただね」
ジーニアスが頬杖をつきながらぼそりと言った。
「うるせー! 要は今と同じだよ。イセリア村でやってたみたいに、オレ達のこと助ける仕事
してたんだってこと!」
「ならリフィル先生は土地調査もしながら、ついでにその村の先生も兼ねてたって付け足しとこうよ」
コレットがロイドの隣からさらさらと付け足す。
『リフィルもジーニアスもとても頭が良かったので、近隣に住む子どもたちにたくさんのことを
教えてあげました。子どもたちはリフィルを先生と呼んで慕いました』
「ちょっとコレット。なんだかその文恥ずかしいわ」
リフィルが顔を赤らめて言った。
「いいじゃん。間違ってないしさ」
「リフィルさんは…素敵な人です」
プレセアの言葉に、リフィルは真っ赤になった。
「……もうっ。ほら、先を書くのでしょう。早くしないと夕飯の時間よ!」
「はぁい」
『リフィルが山にある遺跡を調査しに行ったある日。彼女はそこで不思議な竹を見つけました。
竹の真ん中あたりが金色に光っていたのです。
「不思議な竹だこと。もしかしてこれは、あらたな文明の発見!?」
目を輝かせ、リフィルは持っていた杖を使って竹を斬ってみました。
「――――まぁ…」
リフィルが驚いたのも無理はありません。そこには竹にちょうど収まるほど小さな女の子が
座っていたのです。
「こんにちは」
「こ…こんにちは」
2人は初対面です。しかもリフィルの知識の中にこんな小さな人間が存在することなどありません。
とまどいつつ、にっこり笑う女の子に害はないと判断して、リフィルは尋ねました。
「あなた、どうしてこんなところにいるの?」
「わからないの。目が覚めて、気がついたらあなたがいたから…。どうしてかな?」
逆に問い返されたリフィルも困ってしまいました。女の子もどうしてか本当にわからない様子で
首を傾げています。
「…私はリフィル・セイジ。とりあえず私の家にくるといいわ」
「ありがとうございます、リフィルさん」
手の平に女の子を乗せ、ひとまずリフィルは帰ることにしました。
「あなた、名前は?」
「コレットです。よろしくお願いします」
そう言ってコレットはまたにっこり笑いました。』
「なんか物語っぽくなってきたじゃないか」
しいなが感心したように言った。
「だろだろ!? じゃ、この調子でドンドン書いていこうぜ!」
やる気満々なロイドに、ジーニアスがため息をついた。
「形にしてるのは姉さんとボクとコレットだよ…」
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